リンパ浮腫の治療・
アフターケア

リンパ浮腫とは

身体の中には、リンパ液が流れるリンパ管という管が存在します。何らかの原因によってリンパ液の流れが滞り、むくみが生じた状態を「リンパ浮腫」といいます。
リンパ浮腫は難治性であり、発症後は徐々に進行し、さまざまな症状をきたします。

リンパ浮腫のはじまり
(発症のきっかけ)

乳がん、子宮がん、卵巣がんなどの治療においてリンパ節の一部を除去し、リンパ液の流れが滞ることが、リンパ浮腫のはじまりです。

リンパ浮腫の症状

  • 腕、脚のむくみ
  • 腕、脚の重い感じ・だるさ
  • 腕、脚を動かしづらい
  • 身体が疲れやすい
  • 皮膚を指で押したとき、戻りが悪い・痕がつく
  • 腕、脚の静脈の見え方に左右差がある

リンパ浮腫は治る?

リンパ浮腫は、一度発症するとなかなか治りません。軽度で自己管理ができれば日常において大きな支障はありませんが、重症化すると上記の症状が悪化し、それも難しくなります。
発症後、早期から治療を開始し、重症化を防ぐことがリンパ浮腫とうまく付き合っていくためには大切になります。

リンパ浮腫の治療方法

保存的治療

スキンケアやリンパドレナージ、圧迫療法によって、むくみの軽減・進行の抑制を図ります。

スキンケア

むくんだ皮膚は、簡単に傷つき感染・炎症の原因となります。保湿クリーム、軟膏によって毎日スキンケアを行います。

リンパドレナージ

ドレナージによってリンパ液を機能が残存しているリンパ節へと誘導します。リンパの流れは患者様によって異なるため、正しい方法で施術することが重要になります。

圧迫療法

身体の水分は、手先、足先に溜まっていきます。そのため、リンパドレナージで適切なリンパ節へと移動したリンパ液が戻らないよう、弾性包帯やストッキングなどによる圧迫療法が必要になります。
身体に合わないものを使用すると逆効果になりますのでご注意ください。

外科的治療(リンパ管静脈吻合)

顕微鏡を用いて、リンパ液が鬱滞している部分のリンパ管を静脈と吻合し、リンパ液を静脈に戻すバイパスを作ります。手術によって浮腫の軽減、重怠さの改善などの自覚症状の改善が期待できます。
しかし、手術によって完治するわけではなく、術後も弾性包帯やスリーブを用いた圧迫治療を引き続き行う必要があります。当院ではリンパ管静脈吻合術は行っていません。ご希望の方は当該施設をご紹介いたします。

当院で行うリンパ浮腫ケアの特徴

リンパ浮腫の診断

心不全や腎機能障害、深部静脈血栓症などによって浮腫が生じることがあるため、医師の問診、血液検査や心電図、胸部レントゲン撮影によってリンパ浮腫の診断を行います(保険診療)。
他院からの紹介の場合にも、必要に応じて検査を行いますので、ご了承ください。
リンパ浮腫と診断できましたら、カンファレンスルームで担当者が今後の治療計画について説明をいたします。
次回よりリンパ浮腫の治療(自由診療)を開始いたします。

リンパ浮腫専門看護師によるケア

当院におけるリンパ浮腫のケアは、リンパ浮腫専門看護師が担当します。
(一般財団法人ライフプランニングセンターの「がんのリハビリテーション研修 新リンパ浮腫研修」と「リンパ浮腫専門医療従事者育成講座」を受講後、認定試験に合格した看護師です。)
医師と連携しながら、豊富な経験、正しい知識に基づいた適切なケアを行います。
(※当院は下肢のリンパドレナージは行っておりません。)

アロマを使用した上肢のリンパドレナージ(自由診療)

リラックス効果のあるアロマを用い、上肢から背部にかけてリンパドレナージを行います。身体、そしてこころのリラックスによって、一層の症状緩和を図ります。
(※担当看護師はICAA認定メディカルアロマ専門看護師の資格も有しております。)

上肢リンパドレナージの費用

メニュー 価格(税込)
ドレナージ
初回
¥7,000
  • 約1時間の施術です。
  • 弾性包帯による多層包帯法の後、上肢の計測を行います。その数値によって患者様一人一人に合ったスリーブ等の処置材料をご提案いたします。
    (処置材料は別途費用が掛かります。スリーブ等の弾性着衣は、医師の指示書のもとで助成金が出ます。)
  • 当日よりアロマオイルを用いたリンパドレナージを開始いたします。
メニュー 価格(税込)
2回目以降 ¥6,000
  • 約1時間の施術です。
  • 同様にアロマオイルを用いたドレナージを行ってまいります。
  • リンパ浮腫の程度によりますが、1か月に1度の施術となります。
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