巻き爪と陥入爪とは?違いや原因
「爪が痛い」とお悩みの方は多くいらっしゃいます。「巻き爪」や「陥入爪」、「爪甲肥厚症」といった爪のトラブルを耳にしたことがあるのではないでしょうか。これらにどのような違いがあるのが、ご説明いたします。
巻き爪・陥入爪の違いと
爪甲肥厚のリスク
巻き爪は、爪が丸く曲がっている状態を指します。
一方で陥入爪は、爪の側縁が皮膚組織に食い込んで炎症を起こし、腫れ・痛み・発赤などを伴う状態を指します。
また、両者を合併するケースも見られます。
爪甲肥厚とは、足の爪が厚くなる現象を指し、悪化すると自分で爪が切れなくなる、靴が履きづらくなる、巻き爪が起こる、転倒の危険性が高くなる、といった多くのリスクが生じてきます。
巻き爪の原因
深爪、外反母趾などを原因とします。また、外反母趾になっていなくても、ハイヒールなどのつま先の狭い靴を履くことで巻き爪が生じることがあります。足先に荷重のかからない寝たきりの人に見られることもあります。
陥入爪の原因
深爪が主要な原因です。具体的には、爪の側縁先端を短く切ってしまうことを指します。自分で痛みを軽減しようと側縁先端を切り、さらに悪化するというケースも見られます。
爪甲肥厚の原因
爪甲肥厚が悪化して治療が必要となる状態のことを「爪甲肥厚症」と呼びます。この原因には、いわゆる水虫と呼ばれる爪白癬(つめはくせん)、深爪、長時間に及ぶハイヒールの使用、靴の摩擦が挙げられます。 当院では専用の爪グラインダーで肥厚した爪を整えます(自由診療)。
抗がん剤と巻き爪の関係
抗がん剤を使用することで、爪に影響が出る場合があります。
抗がん剤により、基底細胞の分裂・増殖の阻害やメラノサイトの活発化が促進され、爪の成長障害が起こって巻き爪になってしまうケースがあります。
その他にも、爪が黒く変色したり、爪が薄くなる・割れやすくなるといった症状を伴うことがあります。
このような場合は、甘皮を丁寧に処理することで、爪母細胞の環境を改善し健康で丈夫な爪を生えさせることができます。指を温かいお湯につけてふやかし、余分な甘皮を取り除くようにしましょう。ネイルオイルなどで潤いを与えてあげることも有用です。
抗がん剤によって陥入爪になった場合、免疫力が低下しているため、感染が増悪する可能性があります。ご自分で対処できない場合はお気軽にご相談ください。
巻き爪・陥入爪の治し方
(ご自宅でできる方法)
爪を伸ばす
巻き爪と陥入爪に共通する原因が、深爪です。そのため、爪を切らずに伸ばせば、どちらも症状の改善が期待できます。 ただ、途中で痛みが強くなり、断念してしまう(爪を切ってしまう)ケースが多いようです。
正しい爪の切り方をする
爪を真上から見たとき、その角(側縁先端)は皮膚からはみ出るくらいに残しておきましょう。 爪の白い部分を全部切る、ピンク色の縁と平行にギリギリで切る方法は、正しくありません。
コットン挿入(コットンパッキング)
爪の変形が軽度である場合には、コットン挿入が有効です。食い込んだ爪と皮膚のあいだにコットンを詰めることで、痛みを軽減します。 コットンは毎日交換します。しだいに、爪の変形も改善されていきます。
軟膏治療・テーピング法
炎症が起こっている陥入爪の治療では、軟膏を外用することがあります。 また、食い込みを受けている皮膚を外または下に引っ張るようにテーピングを貼る方法もあります。
当院で行う巻き爪・陥入爪の治療【保険診療】
フェノール法
※足趾の両側に陥入爪が生じている場合
フェノール法は、陥入爪の治療の1つで、爪の食い込んだ部分を除去し、組織腐食作用を持つフェノールを爪母(爪を作る部分)に塗ることで食い込んだ部分に爪が再び生えるのを防ぐ手術です。 炎症や化膿を繰り返し、薬やテーピングなどでは炎症を抑えられないかつ、ワイヤー等を用いた矯正を行えない陥入爪に適応しています。 ただし、爪の幅が狭くなる施術のため、巻き爪の曲がりが強い爪や幅の狭い爪の治療には向いていません。
また、末梢循環障害のある方、コントロール不良な高血圧症・狭心症のある方は治療ができません。
当院で行う巻き爪の矯正治療
【自由診療】
3TOによる
巻き爪矯正治療
ワイヤーを用いた治療法ですが、爪に穴を開けず、両端に引っ掛けて矯正を行います。爪が硬い方や分厚い方でも、短時間で処置が可能で、ほぼ痛みを感じずに終えることができます。
3TOとは
患者様の爪に合わせて長さ・カーブを調節したワイヤーを爪の両サイドにかけ、爪の中心でそのワイヤーをねじあげることで曲がった爪を矯正します。
3TO(VHO)の特徴・メリット
個々の形状に合わせることができる
ワイヤーという自由度の高い材料を用いることで、患者様の爪の形に合わせた調整が可能です。 また、無理な力がかからず、痛みも少なくなります。
爪を傷めず、衛生的な治療
ワイヤーは、刺すのではなく、爪に引っかけて固定します。そのため、皮膚や爪を傷つけることがありません。 細いワイヤーでの固定により通気性も維持され、衛生面でも安心です。
短時間で経済的に施術できる
外科的な処置ではなく、短時間で終えられます。
ワイヤー装着後や通院間隔
ワイヤー装着後の痛み | 皮膚に爪が食い込む力が和らぎ、痛みが軽減します。 |
---|---|
通院間隔 | 初回は1ヶ月後に交換。その後は3ヵ月に1度程度で結構です。※何か問題が生じたときには受診してください。 |
ワイヤーの装着期間 | 個人差がありますが、おおよそ1年ほどです。 |
プラスチックプレートによる
巻き爪矯正治療
ドイツ3TO社が開発した巻き爪ケア用品で、接着剤により張り付けたプラスチックプレートの伸縮性により爪に継続的で緩やかな屈曲作用を発揮します。3TO施術後の再発予防にも適しています。
巻き爪の矯正の費用
フェノール法 (保健診療) |
1本 ¥15,400 (3割負担で¥4,620)※ |
---|---|
3TO(自由診療) | 初回:¥9,900 2回目以降:¥8,800 |
ポドストライプ (プラスチックプレート)(自由診療) |
1本 ¥6,600 |
グラインダー (自由診療) |
1本 ¥6,600 |
※税込価格です。
※費用は手術代のみです。これに麻酔代等が加わります。